
【カイロ観光】初心者向け、ピラミッドから穴場まで楽しむ完全ガイド
「エジプトのカイロ」と聞いて、まず思い浮かぶのは、砂漠にそびえ立つ雄大なギザのピラミッドでしょうか?
ピラミッドは、まさしく人類の歴史が刻まれた奇跡の光景です。でも、実はカイロには、それだけではない、奥深い魅力に満ちた顔があります。
ここでは、「初めてのカイロ観光」を最高に楽しむためのガイドとして、旅の不安を解消する話から、王道の観光スポット、そして地元の人々が愛する穴場スポットまで、ストーリー形式でご紹介します。
旅の「大前提」を知る:カイロ観光の概要
カイロを訪れる前に知っておきたい、不安を解消する5つのポイントです。
- ベストシーズン
- オンシーズン(ベストシーズン): 10月から4月が最も観光に適した時期です。日差しが穏やかで、気温も過ごしやすいため、遺跡巡りも快適です。ただし、観光客が多く、航空券やホテルの料金が高くなる傾向にあります。
- オフシーズン: 5月から9月は気温が40℃を超えることもあり、非常に暑くなります。この時期は観光客が少なく、費用を抑えられますが、日中の観光は熱中症に十分注意が必要です。
- 治安
カイロの治安は、他の大都市と同様に、観光地や人が多い場所では注意が必要です。しかし、観光客が集まるエリアは警備が強化されており、夜の一人歩きを避ける、人混みで荷物に気をつけるなど、基本的な対策をすれば安心して楽しめます。
最新の治安に関する情報は、外務省 海外安全ホームページ「エジプト 危険・スポット・広域情報」でご確認ください。
- 交通
タクシーが主な移動手段ですが、乗車前に料金交渉をするのが一般的です。最近では、配車アプリの「Uber」や「Careem」も普及しており、ぼったくりの心配がなく、安心して利用できます。
- 服装
イスラム文化が根付く街なので、特に女性は肌の露出を抑えた服装を心がけましょう。博物館や観光地では比較的自由ですが、モスク(寺院)を訪れる際は、頭を覆うスカーフや露出の少ない服装が必要です。
- 物価
全体的に、日本の3分の1から5分の1程度と非常に安いです。特に、地元の食堂での食事や公共交通機関は驚くほど安く感じられるでしょう。ただし、高級ホテルや輸入品、外国人向けの観光地では、日本の物価と変わらない、もしくはそれ以上に高くなることもあるので注意が必要です。
カイロ観光の王道!「歴史」を巡る旅
まずは、絶対に外せないカイロの王道スポットをご紹介します。
- ギザのピラミッドとスフィンクス
- 所要時間: 半日(移動時間含む)
- 見どころ: クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3つのピラミッドが並ぶ壮大な景色は、まさに圧巻。巨大なスフィンクスがピラミッドを守るように鎮座する姿は、古代エジプトの神秘を感じさせます。
- 旅のコツ: 昼間は非常に暑くなるので、朝早い時間帯に訪れるのがおすすめです。また、ラクダに乗って砂漠からピラミッドを眺めるツアーは、一生忘れられない思い出になるでしょう。
- 費用:
- ギザのピラミッドエリア入場料: 700EGP
- クフ王のピラミッド内部入場料: 1,500EGP
- メンカウラー王のピラミッド内部入場料: 280EGP ※料金は2025年9月時点の外国人価格です。変更される可能性があります。
- エジプト考古学博物館
- 所要時間: 2〜3時間
- 見どころ: ツタンカーメン王の黄金のマスクは、一見の価値あり。まばゆいばかりの黄金の輝きは、言葉を失うほどの美しさです。ミイラの部屋では、古代の王たちの姿を間近に見ることができ、まるでタイムスリップしたような感覚になります。
- 費用:
- 入場料: 550EGP ※料金は2025年9月時点の外国人価格です。変更される可能性があります。
「五感」を刺激する!カイロの街を楽しむ旅
カイロの魅力は、歴史的な遺跡だけではありません。活気あふれる街の姿も、旅の醍醐味です。
- ハン・ハリーリ市場
- 所要時間: 1〜2時間
- 見どころ: 迷路のように入り組んだ路地には、スパイスの香りが漂い、色鮮やかなランプや銀細工が所狭しと並びます。店主との値段交渉も旅の楽しみの一つ。カフェでミントティーを飲みながら、人々の賑わいを眺めるのもおすすめです。
- 費用:
- 入場料は無料ですが、お土産や食事にかかる費用は交渉次第です。
- イスラム地区とイスラム美術館
- 所要時間: 2〜3時間
- 見どころ: ハン・ハリーリ市場の周辺に広がる、カイロのもう一つの顔です。イスラム建築の美しいモスクや、イスラム美術館に収蔵された美術品は、アラビア文化の深遠な美しさを教えてくれます。
- 費用:
- イスラム美術館入場料: 340EGP
- イスラム地区のモスクや施設は無料の場所もありますが、一部有料の場所もあります。
まだ知られぬ「穴場」へ!少し足を延ばす旅
「王道は押さえたけど、もっと深くカイロを知りたい!」という方におすすめのスポットです。
- ムハンマド・アリー・モスク
- 所要時間: 1〜2時間
- 見どころ: カイロの街を見下ろす高台に建つ、美しいモスクです。オスマン帝国様式のドームとミナレット(尖塔)が特徴。内部の荘厳な装飾と、ステンドグラスから差し込む光が織りなす幻想的な空間は、一見の価値ありです。
- 費用:
- シタデル(要塞)の入場料: 550EGP(モスクはこの中にあります)
- コプト・カイロ
- 所要時間: 1〜2時間
- 見どころ: キリスト教徒(コプト教徒)が暮らす、カイロの旧市街です。迷路のような石畳の道を歩くと、古い教会や静かな修道院がひっそりと佇んでいます。エジプトにおけるキリスト教の歴史と文化に触れることができる、心落ち着く場所です。
- 費用:
- コプト博物館入場料: 280EGP
- 地区内の教会の入場は基本的に無料です。
旅の楽しみを彩る!カイロのグルメとお土産
旅の醍醐味といえば、その土地ならではの食とお土産ですよね。
カイロを味わう絶品グルメ
- コシャリ: エジプトの国民食。米、マカロニ、ひよこ豆、レンズ豆を混ぜ合わせ、トマトソースとフライドオニオンをかけた、シンプルながらも奥深い味わいです。
- タアメイヤ: いわゆる「エジプト版コロッケ」です。そら豆をすりつぶして揚げたもので、外はカリカリ、中はふんわりとした食感が楽しめます。
- ターメイヤ: タアメイヤと同様のそら豆のコロッケですが、地域によって呼び方が違ったり、材料がひよこ豆になったりもします。
- タジン: モロッコ料理として有名ですが、エジプトでも食べられます。肉や野菜を煮込んだもので、素焼きの壺でじっくり調理されるため、素材の旨味が凝縮されています。
旅の思い出を持ち帰るお土産
- パピルス: 古代エジプトの製法で作られた紙です。美しいヒエログリフや神々の絵が描かれたものが多く、お土産にぴったりです。
- 香水瓶: ガラス細工の香水瓶は、カラフルで繊細なデザインが特徴。香水だけでなく、ただ飾っておくだけでも部屋が華やかになります。
- 香辛料: 市場に行けば、日本では見かけないような珍しい香辛料が手に入ります。ナツメヤシやドライフルーツも人気です。
- ナツメヤシ: ビタミンやミネラルが豊富で、ヘルシーなおやつとして人気です。
これだけ知っておけば安心!旅の費用感
初心者の方のために、カイロ旅行のざっくりとした費用感をご紹介します。
- 航空券: 日本からの直行便はほとんどありません。乗り継ぎ便で往復10〜15万円が相場です。
- 宿泊費: ホテルのランクによりますが、1泊5,000円〜1万円程度で、清潔なホテルに宿泊できます。
- 食費: 地元の食堂であれば、1食300〜500円程度で十分楽しめます。レストランでも1,000〜2,000円程度です。
- 交通費: 配車アプリを使えば、市内移動は1回あたり数百円程度で済みます。
旅がもっと楽しくなる!アラビア語講座
今日の旅のテーマカイロ観光の中にある「ピラミッド」を、アラビア語で覚えてみましょう。
- ピラミッド:
أَهْرَام
(ʾahrām
)- カタカナ: アフラーム
- 発音のポイント:
هْ
は、日本語の「ハ」よりも、息を強く吐き出すような摩擦音です。
まとめ:カイロの旅は、あなたの心を揺さぶる
カイロは、ピラミッドという歴史の証だけでなく、活気あふれる市場や、静かな信仰の場が共存する、多面的な魅力に満ちた街です。
- 歴史の旅: ギザのピラミッドとエジプト考古学博物館
- 五感の旅: ハン・ハリーリ市場
- 心の旅: イスラム地区とコプト・カイロ
今回ご紹介した内容が、あなたのカイロ観光の役に立ち、忘れられない素晴らしい旅につながることを願っています。