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アラビア語で「助けて」旅の安全を守る緊急フレーズとカタカナ発音(命を守る緊急フレーズ集)

「旅は楽しいものですが、もしもの時が不安…」
異国の地で病気になったり、道に迷ったり、困ったことに巻き込まれたりしたら、どうすればいいのでしょうか?

でも大丈夫。たった一つのアラビア語を覚えるだけで、あなたの旅はぐっと安全になります。それは、まるで言葉の保険のようなもの。

それでは、緊急時にあなたの身を守るための「魔法の呪文」と、その使い方を解説します。


 

アラビア語の「助けて」を学ぶ

「助けて」という言葉は、ただ危険な状況で叫ぶためだけのものではありません。

道に迷って困っている時、急にお腹が痛くなった時、荷物をなくしてしまった時…この言葉は、周りの人々に「私は困っています。手助けが必要です」というSOSを発信する「魔法の呪文」です。

言葉を口にする勇気があれば、状況は必ず好転します。この呪文は、あなたの旅をより安全なものにするための、最初の護身術です。


 

最重要!絶対に覚えておきたいフレーズ

まずは、緊急時にあなたの身を守る、最も重要なフレーズを覚えましょう。

 助けて! 

  • اِلْحَقْنِي! (ilḥaqnī!)
    • カタカナ: イルハクニー!
    • 意味: 「私に追いついて!/来て!」
    • ポイント:
      • 誰かに助けを求める際に使います。
      • 比較的カジュアルな表現で、日常生活でも使われます。
  • أَنْقِذْنِي! (ʾanqidhnī!)
    • カタカナ: アンキズニー!
    • 意味: 「私を救って!」
    • ポイント:
      • 命の危険を感じるような、より深刻な状況で使われる言葉です。
      • 大声で叫ぶことを想定して覚えておきましょう。

 警察と病院 

  • شُرْطَة (shurṭa)
    • カタカナ: シュルタ
    • 意味: 「警察」
    • フレーズ: أُرِيدُ الشُّرْطَة. (ʾurīdu sh-shurṭa.) →「警察を呼びたいです。」
  • مُسْتَشْفَى (mustashfā)
    • カタカナ: ムスタシュファー
    • 意味: 「病院」
    • フレーズ: أُرِيدُ الْمُسْتَشْفَى. (ʾurīdu l-mustashfā.) →「病院に行きたいです。」

 

場面別で役立つ!もしもの時の会話集

旅先で遭遇するかもしれない、具体的な状況で使えるフレーズをまとめました。


 

知っておきたい、もしもの時の文化的対応

緊急時に「言葉」を知っているだけでなく、現地の文化的背景に基づいた「行動」をとることが、身の安全を守る上で非常に重要になることがあります。アラビア語圏で特に知っておくべき大事なポイントは2つです。

 1. 相手の「名誉」を傷つけない 

アラビア語圏の文化において、「名誉」は非常に重要な概念です。これは、個人の名誉だけでなく、家族や部族、コミュニティの名誉も含まれます。もし、トラブルに巻き込まれたり、相手の言動に不快感を感じたりした場合でも、大声で非難したり、公然と恥をかかせたりするような行動は絶対に避けてください。

【なぜ?】 相手が自分の名誉を傷つけられたと感じると、感情的になり、事態が悪化する可能性があります。冷静な対応が、問題を円満に解決するための鍵となります。

 2. 困った時は「神」に助けを求める 

アラビア語圏の多くの国では、イスラム教が生活の中心にあります。そのため、何かトラブルに巻き込まれた時、「神にかけて、お願いです」といった宗教的な表現を使うことが有効な場合があります。これは、相手の信仰心に訴えかけることで、同情や協力を引き出すための手段となり得ます。

【フレーズ例】

  • 「インシャアッラー」 (In shāʾa l-lāh / إن شاء الله)
    • 意味: 「もし神が望むなら」
    • 使い方: 状況が悪化しないことを願う際に使うと、相手に敬意を示し、落ち着いた態度を伝えられます。
  • 「アッサラーム・アライクム」 (As-salāmu ʿalaykum / السَّلاَمُ عَلَيْكُمْ)
    • 意味: 「あなたに平安がありますように」
    • 使い方: 緊張した場面でも、この挨拶から入ることで、自分が敵意を持っていないことを示し、相手の警戒心を解くきっかけになります。

言葉のフレーズだけでなく、現地の文化を尊重した行動を心がけることが、もしもの時の「護身術」となります。


 

さらに深堀り、モロッコ・エジプト・ヨルダン…5カ国の治安事情

せっかくなら、多くの日本人が訪れるモロッコ、エジプトをはじめ、ヨルダン、レバノン、クウェートを含めた5カ国に焦点を当て、それぞれのリアルな治安・医療事情も紹介します。

「海外旅行の計画を立てる際、一番気になるのが現地の治安…」

旅の安全は、正しい情報から始まります。一口に「アラビア語圏」と言っても、国や地域によって治安状況は全く異なります。外務省が発表する危険情報レベルを理解し、現地のリアルな状況を知ることが、安全な旅への第一歩となります。もちろん、もしもの時に役立つアラビア語フレーズもぜひ目を通してくださいね。

 【国別ガイド】治安・警察・病院のリアルな事情 

国名 外務省危険情報 治安・警察 病院・医療事情
モロッコ レベル1
十分注意
政治的・社会情勢は安定していますが、観光地ではスリや客引きが多発しています。特に、旧市街では道を尋ねる振りをして金銭を要求されるケースも。
警察官は信頼できますが、英語は通じないことが多いです。
大都市の私立病院は設備が整っていますが、地方では医療水準が低い場合も。緊急時はホテルのスタッフに助けを求めましょう。
エジプト レベル1〜2
※地域による
観光客を狙った詐欺やぼったくりタクシーが多発しています。特にカイロでは、しつこい客引きに注意が必要です。
警察官の中には賄賂を要求するケースもあるため、身分証明書の提示は慎重に。
医療水準は国公立と私立で差が激しいです。外国人向けの私立病院は設備が整っており、英語が通じる医師もいます。
ヨルダン レベル1
十分注意
治安は比較的安定していますが、周辺国の情勢に影響されやすいです。
ペトラ遺跡などの観光地では詐欺や強引な客引きに注意が必要です。
首都アンマンの医療水準は高いですが、地方では医療施設が限られています。特に水や衛生状態には注意しましょう。
レバノン レベル2〜3
※地域による
政治・社会情勢が不安定なため、突然のデモや衝突に巻き込まれる可能性があります。テロの危険性も否定できません。
デモが行われている場所や、周辺国との国境付近には近づかないようにしましょう。
医療水準は中東でも高く、ベイルートの病院は設備が整っています。ただし、費用が高額になる場合もあるので、保険の確認が重要です。
クウェート レベル1
十分注意
治安は良い方ですが、テロやデモの危険性があるため、外務省は注意を呼びかけています。
また、観光地や商業施設ではスリや置き引きなどの軽犯罪も発生しています。
医療水準は非常に高く、設備も整っています。しかし、旅行者が利用できるのは私立病院に限られることが多く、費用が高額になります。

一部参照:2025年現在の外務省危険情報レベル


 

旅がもっと楽しくなる!アラビア語講座

緊急時に役立つ、もう一つ重要な言葉を覚えておきましょう。

  • 危険: خَطَر (khaṭar)
    • カタカナ: ハタル
    • 発音のポイント:
      • خَ: 日本語の「ハ」よりも、強く喉の奥から出す摩擦音です。
      • طَر: 「タール」と発音しますが、**ط**は舌先を上の歯茎につけて強く発音する、日本語にはない音です。

 

まとめ:言葉は、あなたを助ける最初の防具

アラビア語を学ぶことは、旅の楽しさを増やすだけでなく、あなたの身を守るための重要なスキルにもなります。

  • 「助けて」: اِلْحَقْنِي! を覚え、困ったときにすぐ口にできるようにしておく。
  • 基本の単語: 「警察」「病院」などの単語を覚えることで、正確に意思を伝えられる。
  • 勇気: 何よりも、言葉を口にする勇気が、あなたを助ける最初の防具です。

今回ご紹介した内容が、あなたの中東観光の不安を和らげ、より安全で楽しい旅につながることを願っています。

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