Lv.1 アラビア語の扉

まったくのゼロから始める、アラビア語への第一歩。好奇心を持って踏み出す世界!

アラビア語はなぜ今の形に?言葉のルーツを5分で解説

アラビア語と聞くと、独特の文字と発音で、とても難しそうなイメージを持つかもしれません。

「この言葉は、一体どこから来たんだろう?」
「なぜ、右から左に書くんだろう?」

そんな疑問を持ったあなたのために、ここではアラビア語のルーツを、初心者の方にも分かりやすく、そして楽しく解説します。読み終わる頃には、アラビア語が持つ壮大な物語にきっと引き込まれるはずです。


 

【ルーツ①】アラビア語は「家族の系図」を持っていた

すべての言語には、それぞれのルーツがあります。アラビア語は、私たちにはあまり馴染みのない「セム語族」という大きな言語グループに属しています。

まるで、大きな家族の系図を辿るように、アラビア語はヘブライ語やアラム語といった兄弟言語とルーツを共有しています。紀元前には、同じような文法や発音を持つ言葉が、中東地域で広く使われていました。


 

【ルーツ②】「クルアーン」がアラビア語の運命を変えた

古代の言葉だったアラビア語が、現代の私たちが学ぶアラビア語の基礎を築いたのは、ある一冊の本でした。
それが、イスラム教の聖典である『クルアーン(コーラン)』です。

クルアーンがアラビア語で書かれたことで、その文法や語彙は厳密に定められ、統一されました。これにより、アラビア語は単なる部族の言葉ではなく、何世紀にもわたって変わらない、普遍的な言語として確立されたのです。

まさに、クルアーンがアラビア語という建物の「揺るぎない基礎」となったのです。


 

【ルーツ③】なぜ右から左?文字に隠された秘密

アラビア語の文字は、アラム文字という、さらに古い文字から派生しました。

アラム文字は、中東の商人たちが使っていた文字で、彼らは右から左へと文章を書いていました。これは、当時の主な筆記具が、石板などに文字を刻むための道具だったからだと言われています。右利きの人が書く場合、文字を刻む道具を使いながら右から左へ書く方が、身体の動きとして自然だったのです。

この名残が、右から左に書くという現代アラビア語のスタイルに受け継がれています。文字同士がくっつく独特なスタイルも、当時の筆記をより効率的に行うための工夫だったと言われています。


 

アラビア語は「砂漠の言葉」だけじゃない!

アラビア語は、紀元前から広大な中東地域で、交易や学問の言葉として使われてきました。

特に、中世イスラム世界は、数学、天文学、医学など、さまざまな分野で世界をリードしていました。その知識がヨーロッパに伝わる際、多くの専門用語がアラビア語から、スペイン語や英語へと取り入れられていきました。
まるで、文明のバトンを渡すランナーのように、アラビア語が世界の言葉に影響を与えていったのです。

 英語に隠されたアラビア語のルーツ 

今や世界共通語となった英語の中にも、アラビア語から来た言葉がたくさんあります。

  • algorithm(アルゴリズム)
    • 数学者フワーリズミー(al-Khwārizmī)の名前が由来です。
  • zero(ゼロ)
    • アラビア語のsifr(スィフル)が語源です。
  • coffee(コーヒー)
    • アラビア語のqahwa(カフワ)が由来です。

これらの言葉は、アラビア語が学問だけでなく、文化や生活にも深く関わっていた証拠なのです。

 まさか日本語にもアラビア語が隠れている 

英語やスペイン語はなんとなく想像がつきますが、日本語にもアラビア語のルーツを持つ言葉があると言われています。

  • ザクロ
    • アラビア語のzahr(花)から来ている、という説があります。

そして、最も意外なのが、なんとあの言葉です。

「バカ」って、アラビア語だった?

これはあくまで説の一つですが、日本の「バカ」という言葉は、アラビア語のبَقَر(baqar)「」が語源ではないか、と言われることがあります。

なぜ牛が「バカ」に?

イスラム教では、牛は聖なる動物ではありませんが、昔のヨーロッパでは牛は愚鈍な動物の象徴と見なされることがありました。そのイメージがポルトガル語などを経由して日本に伝わり、「バカ」という言葉になったという説です。


 

アラビア語のルーツを辿って学ぼう!アラビア語講座

今日の旅の記念に、アラビア語そのものを表す大切な言葉を覚えてみましょう。

  • 言語: لُغَة (lugha)
    • カタカナ: ルガ
    • 発音のポイント:
      • ل (l): 舌先を上の歯茎の裏につけて、「ラ」と発音します。
      • غ (gh): 喉の奥を震わせて発音します。うがいをする時の「ガー」という音に似ています。

 

まとめ:アラビア語のルーツは、壮大な物語だった!

今回ご紹介したアラビア語のルーツを辿る旅は、いかがでしたか?

  • アラビア語は、ヘブライ語やアラム語と同じセム語族だった!
  • クルアーンによって、現代の基礎が築かれた!
  • 右から左に書く理由や文字のスタイルには、古代の歴史が隠されていた!

アラビア語は、単なる言葉ではありません。そのルーツを知ることは、まるで壮大な物語を読み解くような、奥深い体験です。

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