アラビア語は世界一難しい？挫折する「4つの壁」と日本人が意外と有利なワケ！

「アラビア語は難しい」――そう聞いて、学ぶのをためらっていませんか？

正直に言います。「簡単です！」とは言いません。
ニョロニョロとした文字、喉の奥を使う発音……アラビア語は、英語や日本語とは全く異なる、まさに「異世界からの使者」のような言語だからです。

でも、これだけは伝えたいです。

「難しい」んじゃなく「今まで見たことないから、びっくりしているだけ」

例えば、初めてテレビゲームのコントローラーを握った時を思い出してください。「ボタン多すぎ！」って思いませんでしたか？でも、慣れれば手元を見ずに操作できますよね。アラビア語も全く同じです。

実は、アラビア語が難しいと言われるのには明確な理由があり、その「攻略法」さえ知っていれば、まるでパズルを解くように楽しく習得できます。「あれ？パズルみたいで面白いかも？」と思えたら学習が楽しくなりますよね。
そこで今回は、アラビア語が「世界一難しい」と言われる根拠と、初心者がその壁を乗り越えるための具体的なステップを解説します。

あなたは今、魔法のじゅうたんに乗って冒険を始める直前です。さあ、その「難しさ」の正体を一緒に暴きに行きましょう。

客観的なデータでみるアラビア語の難易度は？

まず、客観的な難易度を見てみましょう。
アメリカの外交官養成局（FSI）のデータによると、英語を話す人達にとってアラビア語は「カテゴリーV（最も習得が難しい言語）」に分類されています。習得には約2200時間が必要とされ、これはフランス語やスペイン語の約3倍の時間です。（ちなみに日本語も同様、最も習得が難しい言語のカテゴリーV）

しかし、これはあくまで「英語話者」にとっての話です。
私たち日本人にとっては、英語話者が苦戦する「母音の少なさ」などが逆にアドバンテージになることもあります（後ほど詳しく解説します）。

レベル1：易しい 　スペイン語、フランス語（約600時間）
レベル2：普通 　ドイツ語、インドネシア語
レベル3：難しい 　ロシア語、タイ語
レベル4：超・難しい 　アラビア語、中国語、日本語（約2200時間）
※英語話者から見た難易度

アメリカ国務省公表－言語習得難易度ランキング

アラビア語が「難しい」と言われる4つの理由（と解決策）

多くの人が「ムリ！」となってしまうのには、明確な理由が4つあります。でも、攻略法さえ知っていれば、何も怖くありません。

文字の壁右から左へ書く「謎解き」

日本語も英語も「左から右」へ書きますが、アラビア語は「右から左」へ書きます。最初は鏡文字を見ているようで脳が混乱するかもしれません。
しかし、これは慣れの問題です。新しいゲームの操作方法を覚えるようなもので、視線の動きに慣れてしまえば、流れるように文字を追えるようになります。
💡攻略のヒント
「新しいスマホの操作を覚える」くらいの感覚でOK！
実は、右利きの人がペンを押しながら書く英語と違い、アラビア語は「ペンを手前に引きながら書く」ので、慣れるとすごく書きやすいんですよ。

形の壁文字が変身する「合体ロボ」

アラビア語の文字は、単語の中での位置（最初・真ん中・最後）によって形が変わります。さらに、隣の文字と手を繋ぐように「筆記体」で繋げて書くのが基本です。
「さっき覚えた文字と形が違う！」と最初は戸惑いますが、これも「合体ロボ」や「変形パーツ」だと思えば楽しめます。基本の形さえ覚えれば、あとはパズルのピースを組み合わせるだけです。
💡攻略のヒント
最初は「えっ、これ何の文字！？」と混乱しますが、実は「重要なパーツ（点の位置など）」は変わらないんです。
「点は下にあるから、これは『バー（B）』だ！」というように、間違い探し感覚で覚えられます。

音の壁喉を使う「ボイスパーカッション」

アラビア語には、日本語にはない独特の音が存在します。
・喉の奥を震わせる音（ع, غ）
・喉を締める音（ق）
これらは、まるでボイスパーカッション。最初は「オエッ」となるような変な音が出るかもしれませんが、それで正解です。喉の筋肉を使う「筋トレ」だと思って練習すれば、砂漠に響くような渋くてかっこいい発音ができるようになります。
💡攻略のヒント
最初は変な音が出ても気にしない！喉の筋肉を使う「筋トレ」だと思ってください。練習しているうちに、砂漠の風のような渋くてかっこいい声が出せるようになります。

種類の壁言葉が2つある！？まさかの「分裂」トラップ

実はこれが最大の難関です。
アラビア語には「フスハー（書き言葉・標準語）」と「アーンミーヤ（話し言葉・方言）」という、大きく異なる2つの種類があります。
「教科書（フスハー）で勉強したのに、現地の会話（アーンミーヤ）が全く聞き取れない！」という現象が起こるのはこのためです。
💡攻略のヒント
全部覚えようとせず、「目的」に合わせて選べばOKです。

実は日本人は有利？「難しい」だけじゃない理由

ここまで脅かすようなことばかり言いましたが、朗報があります。実は、日本人だからこそアラビア語を学びやすいポイントがあります。

母音がシンプル
アラビア語の基本母音は「a, i, u」の3つだけ。日本語の「あいうえお」の感覚に近く、英語のような複雑な母音の使い分けに悩む必要がありません。
単語のルールが論理的
アラビア語は「3つの文字（語根）」をベースに単語が派生します。例えば「書く（k-t-b）」という語根を覚えれば、「本（kitab）」「作家（katib）」「事務所（maktab）」と、芋づる式に単語を増やせます。非常にロジカルな言語です。